短編集あとがき

 

篝火5にて頒布した短編集のあとがき

加筆修正により元のものと大きく変わった話もあります。注釈なども交え、あとがきを作成しました!(あとがき作成時には各話の順番が固まっていなかったので同人誌の順番どおりではありません)

Recollection……エルデンリングを完走した時に幾つかのNPCの過去や背景に興味を持って作成したもので、私にとって初めての二次創作でした。収載にあたり、続きの短編(慈悲か慈愛か)などとも時系列が繋がるように微調整を加えました。そのまま続きでも、独立した話でも、どちらでもお読みいただけます。

 

慈悲か慈愛か……個人サイトで連載していた中編。元は短編予定のモブ姦メモでした。進めるうちに「従軍医師編」「戦場の介錯者編」「王朝編」と3部構成で一冊の本にしたいなと思いましたが、ちょっと道のりが遠くて断念。このお話は「戦場の介錯者編」に該当する一部です。

 

Divina afflatus……元々は「殉教者」というタイトルで個人サイトに収載していましたが、再録と加筆修正にあたり「天啓」のような意味に差し替えました。初出はpixivですが、その時のタイトルは忘れてしまいました。修正部分としては、「慈悲か慈愛か」と若干の時系列を繋げました。こちらは褪せ人ifでもありますので、その辺りも考慮いただきご覧ください。また、タイトルの扉裏にも記載していますが、この短編の最終段には「聖テレジアの法悦」を引用しています。これはヴァレーさん(信者)のモーグ様(信仰対象)に対する天啓そのもので槍が刺し貫く炎のくだりなど完全一致…!ヴァレーさん好き同志の方にはぜひ見て欲しいの気持ちで引用しました。(原典は古く著作権はありませんが、邦訳の著作権は不明でしたので訳文は元の意味から大きく逸れないよう個人的に変更を加えたものを使用しています)

 

蛇蝎……初出はpixiv。再録にあたり軽微な加筆修正を加えました。色んな素性の褪せ人とヴァレーさんとの絡みが見たくて作成していたシリーズ。こちらは素性盗賊との短編です。狐と狸の化かし合いのような掛け合いを目指したもの…だったはず。続編の構想はありましたが、立ち消えになりました。供養として、以下続きのプロット投げです。盗賊は竜餐の代償から逃れるため、ヴァレーと血の契約を結んで血の指になりました。彼らの関係は継続しましたが、どこか腹の底の読めないヴァレーに対して苛立ちを募らせる盗賊。盗賊はヴァレーを心身共に独占しようと画策しますが、その過程で、あろう事かモーグ様に盾付いてしまいます。それを知ったヴァレーにより、血も涙もなく殺される。そんな最期でした。

 

星灯りの下で……初出はpixiv(現在非公開)。再録にあたり加筆修正を加えました。こちらは素性星見とヴァレーさん。アオカンにしたかったので、星空の下という理由だけで星見君を選定。クエストラインに沿えば王たる褪せ人のみがヴァレーさんを弑すので、(先の蛇蝎もそうですが)王褪せ以外の褪せ人とのやり取りでは、どうしても褪せ人バッドエンドになってしまいます。

薔薇のいた庭……扉裏(◯◯p)に記載の通り、こちらは設定のパロ元が存在します。「蝶のいた庭」という小説邦題のもので、分かりやすいようタイトルも寄せました。元小説は『自らの理想郷を作るために少女たちを蝶に擬え監禁して楽しむ猟奇的な主人と、監禁・標本にされた少女たち』の話。ここから『モーグが猟奇的な主人として白面(青年たち)を攫い、薔薇の花として鑑賞するための理想郷を作ったら?』というイメージで書きました。元小説からオマージュしたのは先の設定部分と『適齢期を過ぎた少女は主人に見向きもされない』という部分です。これをヴァレーさんとモーグ様(薔薇の君主)との関係に用いました。ストーリーそのものは元小説とは一切関係ありません。背景や設定パロとしてお楽しみいただければ幸いです。

 

量産型未来:デイドリーム……初出はpixiv(現在非公開)。旧Twitterのネタ出しメモから派生。ポンコツセクサロイドの白面人形ヴァレーちゃんがいたら可愛いなという妄想から。続きの構想はありますが、現状は書く予定がなく。(個人サイトどこかに続きのメモあり) 個人的にハンス・ベルメールが好きなので、そうしたエロチックな人形のイメージを念頭に、SF風味に仕上げました。タイトルは「名もなき大量生産のうちのひとつの個体が見た白昼夢」のような、そんな意味合いにしました。

 

個人授業(1.2)……セクサロイドヴァレーちゃんと同時期くらいにTwitterでネタ出しをしていた、ヌードモデル(美大校医)のヴァレーさん。2年ほどメモのままだったので、今回ようやく書き下ろしに。とかく大学は、閉鎖的で学生も社会経験が少ない事からカルト勧誘の温床になりがち。日常から非日常に転落していく主人公と、妖艶な宗教信者なヴァレーさん。カルトな部分はちょっと現実のあれそれがメタるのでふんわりぼかしました。

 

嘘もいつかは……前回篝火での展示物。シリーズで展開しようと思いましたが現状は企画倒れ。と言っても、セフレもので相手は毎回変わる想定でした。背景事情は書きませんでしたが、竿役がやたらとヴァレーさんに執心しています。この竿役の願望が実現したのが、もしかしたら次の「伴侶のつとめ」だったのかもしれない。

 

伴侶のつとめ……寄稿分再録。作中褪せ人の台詞で幼体が「立つ前に死ぬ」という部分がありますが、これは身体改造時にセルブスが生まれ直しの秘術を利用したため、レナラ様の周りの幼年学徒らと同様、生まれてきた幼体たちは立つことが出来ないという設定を入れてみました。褪せ人はそんな事情は知らないので、早死にするのはヴァレーさんの子育ての問題だと本気で思っています。この王褪せはモラハラ多産DVクズオブクズ男。

 

永劫回帰ロジスティクス……ヴァレー虐アンソロジー寄稿の再録。前提が少し分かりにくいのですが、この世界の王褪せはノンケだったのでヴァレーさんには全く興味がなく、フィアルートから死に生きるものEDを選びました。しかし、ヴァレーさんイベントも途中まで成り行きで進めていたので、ピュアで可愛いヴァレーさんは騎士長として褪せ人の訪れをいつまでも待っていました。そんな周回世界。死ED突入から始まる最悪な展開がヴァレーちゃんの身を襲う、異種姦陵辱BADストーリーです。ミミズ顔の近くでも死の蓄積で死なないのは、もう既に死の律が適用された世界だから……みたいなガバ設定もあり。ミミズ顔から出てくるミミズは小ミミズなのかどうなのか元々気になっていましたが、ミミズの産卵方法を調べたらまあまあグロかったのでそのままヴァレーちゃんに産みつけました。でも推しが死ぬのは辛いので、オチは個人的な救済です。愛。

 

addicted to debauchery……書き下ろし。本のタイトルと同じもの。短編集を総括するお話のため、単品では意味が分かりづらく、話も短いもの。
自創作のヴァレーさんは原作軸や現パロなど別バースであれど、根幹の魂は同じ(同一人物かはさておき)として書いています。それを認知しているメタなヴァレーさん。刑事さんは色々な世界で巡り合うモブ褪せの一人。ヴァレーさんもそれに気付いています。いつか王朝開闢ルートに至れるよう、君主の再誕に焦がれるヴァレーさん。ふんわり次にやりたい中編~長編のカルト現パロは、この二人のバディもの(記憶なし)の予定です。

 

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
またサイトで細々活動していきます。更新はごく低頻度で年に数回程度のため、篝火で見ていただければ問題ないです!(主催さんが篝火開催してくださる限りはヴァレー右で出たい!)