初めてウィッチャーのコンテンツ。(数か月以上前のメモのお焚き上げ)
国家の理性クエストへの吐き出しからエンディング後世界妄想まで派生。
ウィッチャー3、ロッシュ推しなら避けては通れないロッシュメインのクエスト、それが国家の理性。(ディクストラにとってもそう)
ウィッチャー2を終えて、ロッシュ沼に更に沈んでまたウィッチャー3を周回して。ついに最高に楽しみにしてた推しの出番、国家の理性クエを消化!
正直人物背景とかも何も分かってなかった今までは、とりあえずロッシュ側を応援したいの気持ちだけでテメリア生存ルートを選んでました。
でも今回ウィッチャー2を通って遡って原作小説読んで。世界情勢と、登場人物の背景をしっかり把握してから望んでみたら……。
全然思ってたクエストと違ってた。正直、ラストの選択肢、どちらにも納得できなくなってしまったーという話。
【以下重大なネタバレ込み】
『国家の理性』クエストラインとしては、ディクストラ& ロッシュ・ヴェス・ザラーのテメリア残党3人とが、現レダニア王ラドヴィッド5世を暗殺するというもの。
これはエンド分岐及びエンド情勢にも影響する超重要サブクエスト。
ラドヴィッド王暗殺の理由は、ロッシュ・ディクストラ両者に言い分があり、
ディクストラ➡ラドヴィッドはレダニアの治世を悪化させ、ディクストラが実権を握る中立都市ノヴィグラドの自治をも脅かす存在となってきている。ディクストラは過去レダニアの参謀をしており、内政や国の発展に大いに貢献していた過去がある。自らが築き上げた在りし日のレダニアを腐敗させているラドヴィッドに怒りと恨みがある。
ロッシュ➡ロッシュはラドヴィッド王の実質的な支配下にある(テメリアを人質に取られている)ため、ニルフガードとの抗争においてもゲリラ戦を強いられることになっている。そのさなかに用済みとして排除される危険性を感じている。ラドヴィッドを生かし続けることは自らの死、ひいてはテメリアの滅亡に直結すると考えているのでラドヴィッドにはさっさと死んでほしい。(ヴェス・ザラーはロッシュに同意)
このクエストを進めると、両陣営懸念の元凶であるレダニア王ラドヴィッドは死にます。
ラドヴィッド暗殺後、ゲラルトには2つの選択肢が突きつけられる。
ディクストラにつくか、ロッシュにつくか。
クエストラインの最後、ディクストラがロッシュを裏切ります。ディクストラに付けばロッシュ死亡ルート。ロッシュらに付けばディクストラをゲラルトが殺す事になる。
ここで、今までなら何も考えることもなく、ロッシュらに加勢して、ディクストラを永遠に表舞台から消し去るルートを選んできました。ごめんねディクストラ。恨みは無いし悪友だと思ってたのに。
でも今回、政治的な思惑を知って、裏切りの最後のディクストラの発言や、ロッシュらの行動を見て、ちょっと色々考えてしまうめんどくさオタクになってしまいました〜〜〜(ゲームにそこまで入れ込むな)
ここからモヤりポイント。
ザラー(ロッシュ陣営・テメリア諜報部長)とディクストラがニルフガードと交わすためにしたためた調停内容↓
『ラドヴィッドの首と引き換えにニルフガードは侵略戦争をやめ、テメリアをニルフガードの属州として自治を認めること』
これを動機に彼らは暗殺計画をぶち上げたと。
でもこれ、ディクストラになんか得あるんですかね。ニルフガードが侵略戦争をやめる=ノヴィグラドの中立性もより一層保たれるとかそういう事なのかな。ちょっとよく分からなかった。私が政治的にアホなだけかもしれない。
テメリアン3人衆はディクストラが自由都市ノヴィグラドの裏ボスのまま収まって、ノヴィグラドを虎視眈々と狙っていたラドヴィッドとニルフガードを排除できることだけが目的なんだと本気で思ってたんだろうか。
いやいや、野心家のディクストラのことだし、絶対レダニアに返り咲く方法を模索してるって思うでしょ。
ロッシュは単純だから騙されてたかもしれない。ウィッチャー2やって思ったけど、対ヘンセルト王の時にも貴族連中との交渉で相手の事を無条件に信じすぎてて計画がご破算になってたし。それは分かる。
そんなちょっと怪しい計画の中、テメリアンたちは何の疑いも持たずに暗殺計画進めちゃうわけで。
首尾よくラドヴィッド暗殺には成功しました。めでたしめでたし。ロッシュら(+ゲラルト)と、ディクストラは小劇場で落ち合うことに。でも、まだヒリついた戦場の空気を纏ったままのその場所で、テメリア勢のロッシュ・ヴェス・ザラーは堂々と祝杯を上げちゃう。おいおい!百戦錬磨のあんたたちが?敵地のど真ん中で乾杯?!いやいや浮かれすぎでしょ。それともゲラルトがいるから腑抜けになったのか。
作戦が成功したからって、自陣でもない場所で気を抜くな!こういう時が一番狙われやすいって、仮にも諜報部長のザラーもなんで気付かないんだ。ロッシュ〜〜〜!あんたもだ!最強特務部隊の司令官!その野生の勘はどこいった!?
案の定、浮かれているテメリア3人衆(+ゲラルト)の中にディクストラがお出まし。
彼も彼で謎の演説をぶち上げ始める。
落ち合う場所に劇場を指定したのは、シェイクスピアのマクベスがやりたかったから。(ここ、完璧ローカライズで有名なCDPRなのに字幕がベクマスになってる。英語版はマクベスだから単純に誤植?)ディクストラはずっと主役を演じてみたかったけどブ男なのでいつも端役だったとか愚痴る。(これはたぶん、国のトップになりたくてもなれなかった事の仄めかし)
それで、先の調停は破棄だ!と、いきなりそう言う。
ディクストラ、続けます。
“お前たちにはここで死んでもらう。ロッシュ、お前も【愛国者】なら俺の気持ちが分かるだろう”と。
勝手な補足をすると、
ディクストラはもともと、ラドヴィッドの父(前レダニア王)であるヴィジミルの元で執政官としていかんなくその手腕を発揮して来た男。(あの野心家女魔術師フィリパ・エイルハートと共に)
その “ヴィジミル-ディクストラ-フィリパ布陣” の中でレダニアは最高に発展して、北方諸国随一の文化的、教養的ら財政的にもトップの国になった。それは事実。で、彼はそれを自らの功績のように思っている。過去の栄華。
それが、ラドヴィッドの治世になって全て崩壊。
自らが築き上げ、愛したレダニアが崩れゆくのを黙って見ているわけには行かない。なぜなら自分もレダニアの【愛国者】だから。
テメリア狂信者のロッシュに、お前も【愛国者】なら俺の気持ちがわかるだろう、と言ったのはこういう事(のはず)
この状況を予見できなかったロッシュたちの誤算としては、
ディクストラはレダニアを追放されて、今やレダニアに悪感情を持っている。レダニアにはもう『未練はない』。自由都市ノヴィグラドの裏ボスになっている今、彼は『新たな拠点』ノヴィグラドを守るために戦っている。と、そう認識していたのかも。うーん、裏の裏までお絵描きしとこうよと思わなくも無いけども。
ディクストラとしてはラドヴィッド亡きレダニアに戻ったとしても、彼が国家元首になれるかは賭けだったはず。そこはまたフィリパと手を組む算段でもあったのかもしれない。二人とも、いざ国を取ったらまた裏切り合うんだろうけど。(ディクストラとフィリパは男女の仲ありの腐れ縁)
ただ、ロッシュとディクストラは互いに【愛国者】ではあるけれども、決定的に違うポイントがひとつ。
ディクストラは自らがレダニアを統治する事を望み、謀略を巡らせた。王になりたい。
ロッシュはテメリアの復興のみを望んでいる。恐らく王になる機会があるとしても、彼はそうしない。自らの破滅と共にテメリアが復興するなら躊躇いなくする。
もちろん、お互いの適性もある。ディクストラにはそれだけの能力があるし、ロッシュは政治には詳しくないから、そうした立場は望まないというのもあるかも。出自は二人ともたたき上げ。
話が逸れていくのでクエストラインに戻すけど、ここでディクストラがゲラルトに突きつける。
「お前は政治的に中立だから、これ以上は関係ない。”ここから出ていけ”」
うん、ウィッチャーは政治的に中立。それはもちろんそう。
でもでもさ。ここまで関わらせておいてそれはないでしょー!!!
ラドヴィッドの暗殺の片棒を担いだ時点で、こっちは中立どころじゃなくなってる!またウィッチャー2の時みたいに王殺しの謗りを受けて生きていかなきゃならないレベルの重罪に手を貸したのに!(ゲラルト目線の叫び)
ここで選択肢
“では、失礼しよう”(ロッシュらテメリア勢の死亡ルート)
を選ぶとゲラルトは劇場を後にします。
その後、刃を交える音が聞こえて、数瞬ののちにヴェス・ザラー・ロッシュの【死亡】が人物事典に追加されます。
鍵がかけられているために、彼らの遺体を見る事は出来ませんでした。(推しの死体見たいでしょ……。あっちこっちから頑張って覗こうとしたけど見えなかった。残念)
もちろんクエストの都合なんだろうけど、正直、あの場でロッシュらがいとも簡単に殺された事にも違和感。
ゲラルトが去ると決めた瞬間からロッシュたちは戦闘体制に入っていたはずだし、石弓部隊に取り囲まれでもしていない限り、劇場を出た瞬間皆殺しにされるほど彼らは弱くない。奇襲隊とずっと戦ってきたんだぞロッシュは。ウィッチャー2でドラゴンブレスに焼かれても、どんな乱戦で1人放置されてもほぼ無傷で生還してくる男なのに!
ウィッチャー3の時点でもゼロから敗残兵を集めた間に合わせの部隊20人近くでニルフガード兵数千との抗争の最前線に送り込まれ、敗走はしたものの3日も耐え、ゲラルトにワイルドハントとの戦いに人間族として呼ばれて参加しながらもやはりヴェスと共に生還した(その後直帰で別の戦場に行くとも言ってた)不死身の男なのにあの数人のディクストラの手下にやられるわけない!!!!(ロッシュ早口オタクの武勇譚語り)
ロッシュたちも脇が甘すぎるのは否めないし、ディクストラもゲラルトにここまで関わらせておいて、あとは見逃せは胸糞悪すぎる。もし見逃したとしてもディクストラがロッシュたちに勝てるとも思えない。
最後の選択肢は”ディクストラを倒す”のではなく、”ロッシュたちを倒す”のであればロッシュたちが負けるのにも納得できたかもしれない。テメリアンもゲラルトには勝てないだろう。クエストラインにも納得できて推しを手に掛けられるならそれはそれでちょっと興奮しませんか。
それはさておき。
ロールプレイ的には、ディクストラに引導を渡すゲラルトさんも、ロッシュに引導を渡すゲラルトさんも、どっちも見たくないな。ウィッチャー2だとあのクソ王ヘンセルトやシレやレソでさえ見逃せるのに。
ディクストラだって悪いやつじゃないのよ。小説版からずっと出てた。なんやかんやゲラルトとは仲良いし腐れ縁的なところもある。付き合いはロッシュよりも断然長い。殺させないで欲しかった。
という事で、このクエストはどう転んでもなんかモヤるクエストになりました。
いや、ゲームが悪いわけじゃなくてめんどくさオタク精神が悪い方に作用して自家中毒胸糞になってしまったって感じ。だってさ~ロッシュとディクストラ、お互いは対立し合うかもしれないけど、ゲラルト的にはどっちも友達じゃん。選べねえよつれえ……。
あと、ここ大事ポイント。
もちろんロッシュ推しなんだけど、自力でテメリアの復興頑張ってる姿が好きなのであって、ゲラルトにおんぶに抱っこでテメリア復興に漕ぎつけた!みたいになるのも嫌なんだ。
ロッシュに加勢したら、最後の最後でまだしょうもない事頼まれそうになるのでこのクエストそれも嫌い。これはプレイヤーの意志に関わらずゲラルトもうんざりして拒否するんだけど。そんな姿見せられるのもなあ。
だからこのクエストのあくまでも個人的な正解は、基本に立ち返ってウィッチャーは政治的に中立、を貫いてみる。
暗殺計画に、そもそも乗らない!このクエストは発生させません!
このクエストを発生させないとラドヴィッドが生き残ってしまって最終的にニルフガードが敗北するのでシリのエンディングを左右してしまうし、クリア後の情勢も非人間族が迫害されまくって最悪になるんだけど。(ゲラルトが参加しないと暗殺失敗するんかい)
シリに関してはウィッチャーエンド確定になる(バッドを除けば)。継ぐためのニルフガードが壊滅しちゃうから王位継承どころじゃなくなる。でもシリはニルフガード皇帝よりはウィッチャーが似合うと思うから個人的にはウィッチャーエンド派。彼女が女帝になったら良い治世になるとは思うけど、平凡と自由を求め続けた彼女のラストにしては重すぎるもんね。籠の中のツバメにはしたくない。シリの犠牲と献身の上に成り立つ平和なら、ゲラルト的にもクソ喰らえのはず。たとえシリが納得済みだったとしても。(国家の理性を完遂してもウィッチャーエンドになるやり方はあるので、今まではそのルートしてました)
エンドの情勢については、ラドヴィッドが大国ニルフガードを撃破。レダニア、財政破綻してたし兵士たちの士気もダダ下がりで崩壊を待つのみみたいになってたのに嘘だろ?!って感じだけど、戦の能力は天才的だったらしい。あの狂ハゲが世にのさばる。非人間族はさらなる圧政を敷かれてさらに世界は荒廃の一途。
ウィッチャー2でもヘンセルト生存させると非人間族がズタボロになったからほんとこいつら狂王どもは最悪だよ。
ただ、このルートだとロッシュもディクストラも生き残ってるので。あとは彼らが自分たちの信念に向かって、それぞれまた革命の狼煙をあげて、より良い未来のために戦ってくれれば良いんじゃないかな。
サスキアちゃんとイオルヴェスもこの世界に居るみたいなので蜂起してくれると嬉しい。みんなで狂ハゲ倒そう。
その後はドル・ブラサンナ解放して、エイダーンの女王サスキア誕生とかになってみたり(極度妄想)
(たぶんトゥサン辺りもここの属州になるか)
スコイア=テルは解散。他の国とも調停を結んで、非人間族と人間族の無駄な抗争は全面禁止。
ロッシュは頃合いを見てアナイス王女を擁立、ナタリスを執政に据えて念願のテメリア復興!ヴィジマはやっとテメリアの首都に戻る。
(そういやウィッチャー3でアナイスってどこでどうなってるんだろ)
ディクストラはノヴィグラドを中心にレダニア復興。彼も念願のレダニア王になればいいじゃんね。あと隣にちゃっかりフクロウが居ればファン的にはにっこり。
レダニア大敗後のニルフガードは貴族連中が分割統治しそうだけど、首都周辺の大きい場所はヴーヒス将軍が統治してくれそう。彼、ニルフガーディアンだけど良い人そうだし。
ケイドウェンは分からん。
とりあえずこんな感じになったら丸く収まるんじゃないかなー。
ウィッチャー3のメインはあくまでもゲラルトの仲間たちとワイルドハントとの戦いだから、このゲームのエンディング時点では悪政が敷かれて迫害・虐殺・世紀末みたいになってても、その後の世界でより良い方向に動いてくれればいいなって妄想でした。
ゲラルトの物語もトゥサンで綺麗に幕を閉じたし、この世界はこんな感じで終わりと発展を迎えますように、って期待で締め括る。
公式になんてこと言うんだ!って向きもあるかもしれないけど、ここのラインは納期のあれそれでかなり縮小されたっぽくて。このクエストライン担当者が、一部キャラクターの性格(ヴェスのこと)や行動理念、ニルフガード国の描き方が納得のいくものではなくなったと言っていたので、割と感じた違和感は当たってたかも、と勝手に納得しています。まあ不透明な戦時中だしみんな清廉潔白なキャラでもないし、そもそもゲラルトさんだって矛盾だらけの極悪人ムーブできるから、このクエスト上の彼らもきっとそういうもん。自分で好きな話を作れるのがオープンワールドの強み。
でもウィッチャーほんとに大好きです。めんどくさ語りするくらいにはほんとに好き。一生ひとりで壁に喋ってたい。無印リメイクと続編のウィッチャー4(プロジェクト名ポラリス)も一生楽しみ!(エルデンリングの発売の時くらい!)それまでにまたゆっくり周回したいなー。